2007年9月21日金曜日

症例検討会

MNIのdepartment of neurologyでは毎週木曜日の朝8時から外来の会議室で症例検討会をしています。医学生が病歴提示をし、レジデントがMRIなどの検査結果の説明と病態の文献的レビューをします。
今週の症例は、つい最近退院した症例でドイツの医学生が提示しました。
症例は30歳の女性で、特に既往歴や家族歴がなく、約1週間の経過で両側の手指から始まったしびれが頸部、体幹に拡がり、徐々に両側上肢の経度の脱力が加わって入院しました。神経学的には、両側上肢の軽度脱力、C3-Th7付近における表在覚の低下としびれ、2+レベルの頸部以下の腱反射亢進があったようです。下肢の筋力は保たれ、振動覚は正常、病的反射は陰性で膀胱直腸障害はなかったようです。
一般血液・生化学検査で異常はなく、頭部CTは正常。頸部MRIではC2-C5レベルの頸髄中心に不均一な造影効果を持つT2高信号病変があり、マス効果はほとんどなし。T1では病変はやや低信号で髄液の信号とは明らかに異なっています。脳MRIでは異常なし。 髄液検査では、細胞数0、蛋白正常でオリゴクローナルバンドは結果待ち。髄液細胞診は異常なし。
種々の血清学的検査も結果待ちという状態ですが、治療としてmPSL 1g 5日間のパルスを行い症状が軽快したところで退院、3週間後に外来に来院予定だそうです。
再発予防についてコメントしました。
モントリオールでもこういう症例が確かにいるのがわかりました。

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