2007年5月2日水曜日

リツキサン

今日の朝一のポスターセッションで自分の発表をしてきました。
3月にすでに論文として雑誌に記載された内容なので、批判的なコメントはなく、多くは技術的な質問で、あとは知り合いが数人挨拶に来たぐらいでした。内容は、NMOの髄液を用いて軸索損傷のマーカーであるリン酸化ニューロフィラメントH鎖(NfH)をELISAで測定したところ、急性期、慢性期に拘わらずNMOの25%で髄液NfH値が異常高値を示したというものです。MSの髄液では全例正常範囲で、NMOがMSと異なり、軸索傷害がその病態に強く関わっていることを示しています。今回の発表内容が明日の夕方のHighlightセッションで紹介される可能性があるとのことでスライドを4枚ほど作って送ってあるのですが、残念ながらその時点ですでにボストンを離れており、どのように紹介されるか聞くことができません。
 
今回も例年通り、MSのClinical trialのオーラルセッションは人で溢れていましたが、話題はヒト化モノクローナル抗体治療でした。中でもCD20抗体であるRituximabはMS治療のphase Ⅱが終了し、36週の評価時で造影病変の著明な減少と再発率の低下が示され、安全性も高く、かなり話題になっていました。RituximabはNMOに対しても再発率の減少がオープン試験で証明されており、これらの病態にB細胞が強く関わっているとことが示唆されます。また、抗CD52抗体であるAlemtuzumabもAvonexとの2年間の比較試験において有意な有効性を示しており、いよいよインターフェロンに代わる薬剤が一般化しそうな雰囲気です。そのほか、抗CD25抗体のDaclizumabや糖尿病治療薬であるPPARgアゴニスト、経口薬であるLaquinimodなどの有効性も報告されており、今後は併用療法の効果についての議論が進んで行くに違いありません。

夕方からはFenway ParkにRed Soxの試合を観に行きました。相手はアスレチックスです。ベケット投手の好投で見事勝利を収めました。10年振りのFenway Parkでしたが、グリーンモンスターがきれいになって上に観客席が出来ていました。残念ながら松坂君には会えませんでした。

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