今日は、AANの公式ジャーナルのNEUROLOGY(通称The Green Journal)の新しいChief EditorのJohn H. NoseworthyによるNEUROLOGYの編集にまつわる講演を聴講しました。
現在NEUROLOGYは週刊で発行され、毎週7~9編のfull-length論文が記載されています。発行部数は約2万部だそうで、臨床神経学の分野では圧倒的な購読層を持ち、広告主にとっては非常に魅力的な雑誌となっています。PERQ scoreという雑誌広告に関する統計によると、どの神経学関係の雑誌より読者数は4倍以上多いそうです。
論文採択率は20~25%で、毎週40編を超える論文の投稿があるそうです。このうちの30%はEditorの判断でReviewerに回らずに72時間以内に筆者に返却され、残りは原則4人のreviewerに回されて12日以内に査読されます。こうして、最初の投稿から1回目の判断までの平均日数が20日に短縮されたそうです。ちなみに、投稿してからpublishされるまでの平均は現在約20週だそうです。
アメリカ以外の国からの投稿では、イタリア、ドイツ、日本、イギリス、オランダがTOP 5だそうですが、日本からの投稿が多い割りに日本人の論文をあまり見かけないのは日本人による論文の採択率が悪いからに他なりません。 日本神経学会でこのあたりの改善策を検討してもいいのではないでしょうか。
また、この雑誌のインパクトファクターは2005JCRで5.065と常に同じ分野のAnnals of NeurologyやBrainより低いですが、これはNEUROLOGYが動物を用いた研究や方法・技術に関する研究を採択せず、引用されにくい臨床研究の採択にこだわっているからだそうです。
最近はオンラインでの参照が増し、全く印刷物には目を通さない人も増えています。NEUROLOGYはAANの会員には毎週必ず届けられますが、当然、印刷を止めて環境保護に貢献することも学会として考えなくてはならないのでは、という意見も出ているようです。現時点では印刷物を読んでいる学会員も多数存在し、しかも学会収入の3割以上が雑誌の広告料だそうで、すぐに印刷をやめるわけにはいかないようです。
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