シルクドソレイユのサルティンバンコがモントリオールで年末に凱旋公演を行っているので観てきました。前回のクーザはオールドポートの特設テントで開催されましたが、今回のサルティンバンコはダウンタウンのBell Centreでの開催です。
会場が大きかったからか、観客は6割くらいの入りでした。おかげで、購入した席がステージに近すぎて見えにくかったのですが、空いている席に移っていいよ、と言われたので特等席に移って鑑賞しました。
演目に合わせた音楽や歌が印象的で、恒例のピエロ役(Eddie)による観客を巻き込んでの愉快なパフォーマンスもとても楽しかったです。全身タイツのアクロバット、空中ブランコ、筋肉モリモリの双子による力技のアクロバット、ジャグリング、自転車アクロバットなどのオーソドックスな演目のほか、フラメンコを想像させるボレアドレス、鳶はしご登りを想像させるチャイニーズポール、巨大なブランコで空中に飛び出すロシアぶらんこ(写真)など、手に汗握る演目が続き、あっという間に2時間が過ぎました。
2007年12月16日日曜日
Snow Storm
2007年12月14日金曜日
Banff
Banff滞在中はずっと天気が良く、とても快適でした。
Conferenceでの講演や一般演題のレベルは高く、MS研究の最新情報が聞けたものの、内容を全部理解することはとても不可能で、勉強不足を痛感しました。
残念ながら、免疫に関してはMNI以外からの発表はほとんどありませんでしたが、いくつか興味深い報告がありました。ひとつは、Stanford大からのPPARdのノックアウトマウスでのEAEの報告で、PPARdノックアウトマウスでMOG誘導のEAEを発症させると寛解がなく、症状が持続することが示されました。PPARdのリガンドによるEAEの治療が過去に報告されていましたが、PPARgリガンドやPPARaリガンドほどの効果はなく、またPPARdリガンドでは活性化T細胞のIFNgやIL-17産生は影響されにくいと考えられていました。ところが、PPARdノックアウトマウスのリンパ球をin vitroで刺激したところ、ワイルドタイプと比較してCD4細胞からのIL-17やIFNgだけでなく、IL-10などのTh2サイトカインの産生が増加することが示されました。興味深いことにこのノックアウトマウスのB細胞を抗CD40抗体とBCR架橋で刺激したところ、IL-12とIL-6の産生がワイルドタイプよりも亢進していました。PPARdはIL-17を中心とする炎症反応を制御している可能性があり、MSなどの自己免疫疾患での関与も十分に考えられます。
また、MNIからデンマークに移ったOwensらのグループにより、IL-18 binding proteinのEAEに対する治療効果が発表されていました。IL-18はIFNgを誘導するサイトカインとして知られていますが、興味深いことにIFNgノックアウトマウスに誘導した高度のEAEに対しても十分な治療効果を示しました。治療によりEAEのCNSのIL-17発現は低下しており、IL-17抑制を介した治療効果と推定されました。
いずれも治療に結びつく可能性のある研究として注目すべき内容と思われました。
Conferenceでの講演や一般演題のレベルは高く、MS研究の最新情報が聞けたものの、内容を全部理解することはとても不可能で、勉強不足を痛感しました。
残念ながら、免疫に関してはMNI以外からの発表はほとんどありませんでしたが、いくつか興味深い報告がありました。ひとつは、Stanford大からのPPARdのノックアウトマウスでのEAEの報告で、PPARdノックアウトマウスでMOG誘導のEAEを発症させると寛解がなく、症状が持続することが示されました。PPARdのリガンドによるEAEの治療が過去に報告されていましたが、PPARgリガンドやPPARaリガンドほどの効果はなく、またPPARdリガンドでは活性化T細胞のIFNgやIL-17産生は影響されにくいと考えられていました。ところが、PPARdノックアウトマウスのリンパ球をin vitroで刺激したところ、ワイルドタイプと比較してCD4細胞からのIL-17やIFNgだけでなく、IL-10などのTh2サイトカインの産生が増加することが示されました。興味深いことにこのノックアウトマウスのB細胞を抗CD40抗体とBCR架橋で刺激したところ、IL-12とIL-6の産生がワイルドタイプよりも亢進していました。PPARdはIL-17を中心とする炎症反応を制御している可能性があり、MSなどの自己免疫疾患での関与も十分に考えられます。
また、MNIからデンマークに移ったOwensらのグループにより、IL-18 binding proteinのEAEに対する治療効果が発表されていました。IL-18はIFNgを誘導するサイトカインとして知られていますが、興味深いことにIFNgノックアウトマウスに誘導した高度のEAEに対しても十分な治療効果を示しました。治療によりEAEのCNSのIL-17発現は低下しており、IL-17抑制を介した治療効果と推定されました。
いずれも治療に結びつく可能性のある研究として注目すべき内容と思われました。
2007年12月11日火曜日
The Canadian endMS Resarch Conference
カナダMS協会が出資しているendMS Research and Training Networkの会合が12月10日から13日までバンフにあるスプリングスホテルで開催されています。このネットワークは、MSの発症を食い止める(end MS)のを共通の目的とした基礎研究者および臨床医の全国的な共同研究の推進を主旨に形成され、MS研究トレーニングを志す若手にとって最も魅力的なネットワークになることを目指しています。
参加人数は215人で、招待講演、口演、ポスター含めて129題の演題はすべてMSに関わる研究です。疫学・遺伝、免疫、分子生物、画像、治療、QOL、臨床症状などすべての分野で秀逸の研究があり、研究者もトロント、モントリオール、オタワ、カルガリー、バンクーバーなどから片寄りなく集まっています。ECTRIMSなどと異なり、ネットワーク形成が目的なので、競い合う雰囲気はなく、和気あいあいと、とても楽しい会合です。
午後は自由時間があり、すぐ近くのスキー場でスキーを楽しむことができました。
参加人数は215人で、招待講演、口演、ポスター含めて129題の演題はすべてMSに関わる研究です。疫学・遺伝、免疫、分子生物、画像、治療、QOL、臨床症状などすべての分野で秀逸の研究があり、研究者もトロント、モントリオール、オタワ、カルガリー、バンクーバーなどから片寄りなく集まっています。ECTRIMSなどと異なり、ネットワーク形成が目的なので、競い合う雰囲気はなく、和気あいあいと、とても楽しい会合です。
午後は自由時間があり、すぐ近くのスキー場でスキーを楽しむことができました。
2007年12月5日水曜日
日系カナダ人
昨日、Statistics Canadaが2006年の移民統計を発表しました。それによると、家で主に日本語を使用するカナダ人の数は全国で2万人弱。モントリオールには560人の方がいらっしゃていて、イロカノ語に次いで38番目だそうです。うちらのような一時滞在者は含まれていないことを考えると、意外と多い気がしました。ちなみに、日本語を話す人の半数以上はバンクーバーのあるBC州に住んでいるようです。
また、英語、フランス語に次ぐ言語は中国語で、カナダの総人口3,124万人の約2.5%にあたる80万人の人が主に中国語を使用しています。モントリオールに限れば、中国語よりもスペイン語やアラビア語の方が多く、より多民族が集まっていることがうかがえます。うちの周りには韓国からの移民が多い気がしましたが、モントリオールでは約3千人弱で、さほど多くはないようです。
また、英語、フランス語に次ぐ言語は中国語で、カナダの総人口3,124万人の約2.5%にあたる80万人の人が主に中国語を使用しています。モントリオールに限れば、中国語よりもスペイン語やアラビア語の方が多く、より多民族が集まっていることがうかがえます。うちの周りには韓国からの移民が多い気がしましたが、モントリオールでは約3千人弱で、さほど多くはないようです。
EBVとMS
ハーバードのneuro-epidemiologistのDr Alberto Ascherioが客員教授として招かれ、Neuroinflammation programのランチセミナーで講演されました。内容は、MSにおけるEBV(Epstein-Barr virus)感染の疫学で、とても興味深いものでした。
EBVは不顕性感染として小児期に感染し、成人になるまでにほとんどの人は抗体を持ちますが、思春期以降に感染した場合、伝染性単核球症を引き起こすことがあります。また、アフリカではバーキットリンパ腫の原因ウイルスとして重要でもあります。
小児MSやアメリカ海軍の血清バンクを用いた研究で、EBVに既感染である者は未感染者よりもMSを発症するリスクが10倍程度高いことがしられており、またMS発症者では伝染性単核球症の既往の割合が高いことが報告されています。
小児におけるEBV抗体保有率は発展途上国で高く(80%以上)、高緯度の先進国では低い(約40%)ですが、これは衛生環境の違いによるものです。MSの発症要因の一つに高衛生環境が考えられており、乳幼児期のEBVを含めた微生物感染の欠如が免疫機構のTh1優位をもたらし自己免疫疾患を引き起こしている可能性が示唆されています。
新生児あるいは乳幼児期にEBV感染を経験せず、ある一定年齢以上でEBVに感染するとMS発症リスクが高まるとすれば、生まれてすぐのワクチン接種などが発症を予防できる可能性があります。
事実、MS病変で見られるB細胞はほとんどすべてEBV感染しており、EBV感染したB細胞は持続的に抗体産生能を示すためにオリゴクローナルバンドの出現を引き起こすことは容易に想像できます。
EBV感染だけがMSの発症要因ではないことは確かですが、数あるウイルスの中でも病態に最も大きく関わっているウイルスの一つであることは間違いありません。
EBVは不顕性感染として小児期に感染し、成人になるまでにほとんどの人は抗体を持ちますが、思春期以降に感染した場合、伝染性単核球症を引き起こすことがあります。また、アフリカではバーキットリンパ腫の原因ウイルスとして重要でもあります。
小児MSやアメリカ海軍の血清バンクを用いた研究で、EBVに既感染である者は未感染者よりもMSを発症するリスクが10倍程度高いことがしられており、またMS発症者では伝染性単核球症の既往の割合が高いことが報告されています。
小児におけるEBV抗体保有率は発展途上国で高く(80%以上)、高緯度の先進国では低い(約40%)ですが、これは衛生環境の違いによるものです。MSの発症要因の一つに高衛生環境が考えられており、乳幼児期のEBVを含めた微生物感染の欠如が免疫機構のTh1優位をもたらし自己免疫疾患を引き起こしている可能性が示唆されています。
新生児あるいは乳幼児期にEBV感染を経験せず、ある一定年齢以上でEBVに感染するとMS発症リスクが高まるとすれば、生まれてすぐのワクチン接種などが発症を予防できる可能性があります。
事実、MS病変で見られるB細胞はほとんどすべてEBV感染しており、EBV感染したB細胞は持続的に抗体産生能を示すためにオリゴクローナルバンドの出現を引き起こすことは容易に想像できます。
EBV感染だけがMSの発症要因ではないことは確かですが、数あるウイルスの中でも病態に最も大きく関わっているウイルスの一つであることは間違いありません。
2007年12月4日火曜日
大雪
一昨日から降り出した雪は12月初旬としては記録的(12月3日の積雪量としては過去最高)な31cmの積雪になり、さすがのモントリオールも交通網が麻痺してしまったようです。あちこちで車が雪に嵌って動けなくなっていて、消防隊員や警察官が助け出していました。
CBCニュースによると、昨日1日の除雪作業に$1 millionの経費がかかり、明日の午後までには道路の雪は片付けられる予定だそうですが、すべての除雪作業を完了させるのに1週間かかり、合計で$17 millionの経費を見込んでいるそうです。
なんと、今年の冬は15年振りの寒波と降雪が見込まれているようで、Tremblay市長によると、積雪対策に例年以上の$130 millionを充てて備えているそうです。
ちなみにスクールバスが運行できないなどの理由から小学校は休校になりましたが、このための連絡は学校からはなく、CBCラジオで情報が流れるだけのようです。ITが発達したモントリオールなのですから、せめてインターネットに情報を掲示してほしいものです。
CBCニュースによると、昨日1日の除雪作業に$1 millionの経費がかかり、明日の午後までには道路の雪は片付けられる予定だそうですが、すべての除雪作業を完了させるのに1週間かかり、合計で$17 millionの経費を見込んでいるそうです。
なんと、今年の冬は15年振りの寒波と降雪が見込まれているようで、Tremblay市長によると、積雪対策に例年以上の$130 millionを充てて備えているそうです。
ちなみにスクールバスが運行できないなどの理由から小学校は休校になりましたが、このための連絡は学校からはなく、CBCラジオで情報が流れるだけのようです。ITが発達したモントリオールなのですから、せめてインターネットに情報を掲示してほしいものです。
2007年12月1日土曜日
初滑り
モントリオールから東へ約15km、高速道路を使って30分弱のところにあるMont Saint-Brunoで初滑りをしてきました。今朝のモントリオールの気温は氷点下12℃、この冬一番の冷え込みになりましたが、晴天で風も弱く絶好のスキー日和となりました。 山頂からの見晴しは最高で、ダウンタウンの高層ビル群を眺めることができました。
まだ降雪量が不十分なため、今日は人工降雪機で整備された4コースのみがオープンし、クワァッドリフト1基とエスカレーターリフト1基だけの稼働でしたが、人もまばらでリフト待ちもなく、思う存分滑ることができました。
リフト券は2時間券を購入し、大人$21、子供$17でした。ちなみに、1日券(通常$35/日)5日分を12月3日まで約半額の$89で販売しています。また、ここにはケベック最大級のスキースクールがあり、多くの子供たちがレッスンを受けていました。
まだ降雪量が不十分なため、今日は人工降雪機で整備された4コースのみがオープンし、クワァッドリフト1基とエスカレーターリフト1基だけの稼働でしたが、人もまばらでリフト待ちもなく、思う存分滑ることができました。
リフト券は2時間券を購入し、大人$21、子供$17でした。ちなみに、1日券(通常$35/日)5日分を12月3日まで約半額の$89で販売しています。また、ここにはケベック最大級のスキースクールがあり、多くの子供たちがレッスンを受けていました。
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